NHK「ゆうどきネットワーク」のPLCに関する報道
藤坂OM(JF4DGI)からの情報によると、NHK(テレビ)で放送されている情報番組「ゆうどきネットワーク」の4月17日分の放送で、『ゆうどきチェック 「コンセントが家電を変える」』として、PLC(高速電力線搬送通信)に関する内容が放送されたと言う事です。
藤坂OMによると、
内容は例によりまして「コンセント一発で動画伝送ができますよ」といったいわゆる「はやりもの紹介」で、実際に稼働している様子も若干ではありますが放映されておりました。
ただ、この番組のキャスターいわく「私も狐につままれたような気がするのですが、電灯線にデータを流してもいいという総務省令の改正で実現できた、ということのようです」とえらく自信なさ気なコメントをしておられました。
との事ですが、利害関係のある短波放送事業者として紹介されたのは「ラジオ日経」のみで、NHKの海外向け短波放送である「ラジオ日本」には全く触れていなかったそうです。
また、藤坂OMは、早速下記の文面でNHKに抗議を行ったそうですが、NHK側はPLCにまつわる諸問題については認識をしているそうで、NHKのディレクターより「番組内で視聴者の意見として取り上げます」とのお返事を頂いているそうです(但し、4月22日の時点では未放送のようです)。
私は中国地方在住のアマチュア無線愛好家です。
さて、先程放映されました、ゆうどきチェック「コンセントが家電を変える」でPLC技術について取り上げられておりましたが、実は、大変大きな問題を抱えたまま、強引に見切り発車をしてしまったものです。
問題は2点ありまして、まず1つ目として家庭用電線の規格・構造がそもそも電波に対して無防備であるため、ここに信号を流すと送信アンテナとして機能してしまい、場合によっては隣室で短波放送が受信できなくなる程の妨害電波を発生する点があります。
先程の放送の中では「技術的な問題が解決できたので…」と仰っておられましたが、そのような事は決してありません。むしろ、何一つ解決できていない事を証明する論文すら存在するのです!
2つ目として、仮に本当に技術的問題をクリアできたとしても、「数の問題」が発生します。現在の技術基準では、「外部に漏れだす信号の強さは、自然界に存在する雑音信号と同程度とする」となっております。しかし、たった1台の機械でそれをクリアできたとしても、機械の数が何千何万という数字になれば、明らかに「塵も積もれば山となる」で、特に電波天文観測の分野において非常に大きな問題となる事が懸念されております。
さらに現実に製品が出荷され実用された後にも、家庭内の配線や、他に接続されている機器類によってはまったく通信ができない等の欠点も判明しております。
また、現在これら機器の製造・販売の差し止め及び「総務省の省令改正」の妥当性を巡って東京地裁と電波監理審議会において係争中でもあります。
我々アマチュア無線家や電波天文学者、ラジオ局などは一貫してPLCには反対しております。逆に、この技術によって最も影響を受ける短波帯の国際放送を担っておられるNHKから、このような報道がなされる事に落胆を禁じ得ません。
いわゆる「ハヤリの便利技術」としての側面だけでなく、是非その弊害についても取り上げて下さい。
#NHKへの意見の投稿は、こちらのページ(または、yuudoki@nhk.jpへの電子メール)で行えるようですので、みなさんもこの放送の内容に関する意見を投稿して見てはいかがでしょうか。
コメント
土曜日と日曜日の天気予報に、南、が出て、天気予報を説明しますが、なぜ、棒を使わないのですか。手で説明すると、体が日本の地図の真ん中までくるので、みんなと同じく、棒を使って説明してください。使わないなら、テレビに出て、説明しないでください
Posted by Anonymous at 2008年02月27日 14:06
今晩は。
お怒りはごもっともなのですが、残念ながらこちらにコメントを頂いても(多分)NHKにはご意見は届かないと思います。
申し訳ありませんが、どうぞNHKに直接ご連絡下さいませ。
#なお、当サイトは匿名でのコメントはお断りしておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
Posted by 7J3AOZ at 2008年02月27日 22:18