JARL「PLCの屋外利用に反対する」
JARLのサイトに、屋外におけるPLC(高速電力線搬送通信)に関するリリースが、稲毛会長(JA5MG)名義で掲載されています。
平成24年6月4日に「第9回高速電力線搬送通信設備作業班」が開催され「電波利用環境委員会」に提出する答申書と報告書案が審議されました。
JARLはこの作業班で、短波帯の電波環境に対して問題の多いPLCの屋外利用に反対の立場をとってきました。
JARL電磁環境委員会の芳野委員長の報告の通り、報告書案で示された許容値は、推進派、懸念派の双方から不満の声があがり、 合意を得ることが出来ない状態となりましたが、報告書に示された許容値を事実上無意味なものとする文章の追記が提案されました。
しかし、作業班事務局(総務省電波環境課)が取りまとめた最終報告書案では作業班で合意を得た内容とは異なる記述に書き換えられてしまいました。JARL電磁環境委員会では報告書の内容を作業班で合意した内容に書き改めるよう2回にわたり意見書を作業班事務局に提出しましたが、記述が改められることはありませんでした。
JARLでは電磁環境委員会からの報告を受け、「高速電力線搬送通信設備作業班」の上部委員会にあたる「電波利用環境委員会」に対して、連盟として意見書を提出しましたが、7月3日に開催された「第7回電波利用環境委員会」ではJARLの意見は取り上げられる事なく、「高速電力線搬送通信設備の屋外利用に係わる許容値及び測定法」として意見募集にかけられることとなりました。
【意見募集のURL】
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban16_02000035.html
1.意見募集の対象
情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波利用環境委員会 報告(案)
2.募集期限
平成24年8月27日(月) 午後5時(必着)
3.意見募集の要領
意見公募要領(PDF形式)を参照
内閣府から総務省に対しての指示は、「スマートメータの普及促進に向けた屋外通信(PLC通信)規制の緩和」ですが、報告書案にはスマートメータの利用に関する提案は1件もなかったと記述されています。また、期限を切られた検討で満足な実験や検討も行われなかったことが作業班の議事要旨で明らかです。
PLCは主にホームネットワークを構築するためのツールとして登場しましたが、先行している無線LANに太刀打ちできないのが実情です。パソコンも、テレビも、動画レコーダーも、カメラ付きインターフォンも、無線LANによりネットワークを安価に構築できる時代です。
JARLは、問題を含んだ報告書に基づくPLCの屋外利用に関する拙速な規制緩和を行うべきではないとの意見を提出しますが、クリーンな電波環境を保つために皆様も反対意見を提出していただくようお願いいたします。
なお、詳しくは上記のリンク先をご覧ください。
TNX INFO JP1LRT